Commitment

こめつぶ日和のこだわり

Interview

米への想いを受け継ぐ、情熱の生産者たち

佐藤 雄一

さとう ゆういち

新潟県魚沼市で三代続く米農家。標高の高い中山間地での稲作に特化し、雪解け水と昼夜の寒暖差を活かした栽培方法で知られる。2015年に有機JAS認証を取得し、自然との共生を重視した農業を実践している。「つくし農園」の名で、特にコシヒカリの栽培に定評がある。

生産ストーリー

【受け継がれる技術と有機栽培への挑戦】
「米作りは自然との対話です」と語る佐藤さん。祖父の代から続く農法に現代の技術を融合させ、独自の栽培方法を確立しました。魚沼の厳しい冬と短い夏という特性を活かし、積雪がもたらす豊富なミネラルと清らかな雪解け水が、お米の甘みと香りを引き出します。
佐藤さんが有機栽培に転換したのは、長女の誕生がきっかけ。「子どもが生まれて、本当に安心して食べられるものを作りたいと思ったんです」と振り返ります。転換当初は苦労の連続でしたが、今では微生物の力を活かした土づくりで安定した品質と収量を実現しています。

【こめつぶ便との出会いと未来への想い】
佐藤さんが小林代表と出会ったのは、有機農業の勉強会でした。「精米したての美味しさを届けたいという想いに共感しました。私たちが手間暇かけて育てたお米が、最高の状態でお客様の食卓に届くなんて、生産者として最高の喜びです」
現在は次世代の農業後継者の育成にも力を入れる佐藤さん。「日本の米文化を守るためには、若い力が必要です」と語ります。こめつぶ便を通じて消費者と直接つながることで、米作りの喜びと誇りを伝えていきたいと考えています。「お米は日本の心です。毎日食べるものだからこそ、真心を込めて育てています。私の作ったお米を食べた人が笑顔になる。それが私の幸せです」

01

自然の力を活かした害虫対策

02

健全な土づくりへのこだわり

03

減農薬栽培の困難と技術革新

安心して毎日食べられる、環境と調和したお米づくり

こめつぶ便の農薬50%削減栽培は、単なる「農薬を減らす」取り組みではありません。自然の生態系と調和した持続可能な農業の実践であり、日本の豊かな田園風景と食文化を未来につなぐ挑戦です。手間と時間はかかりますが、「毎日食べるものだからこそ安全に」「子どもたちに美しい自然を残したい」という想いが、契約農家の皆さんを支えています。こうして育まれたお米は、安心感だけでなく、本来の旨味や甘みを豊かに感じられる美味しさも兼ね備えています。

STORY

田んぼの四季、お米ができるまでの物語

3~5月

冬の間休眠していた田んぼが目覚める季節。土壌分析に基づく田んぼの準備から、苗の育成、そして丁寧な田植えまで。適切な水温と間隔を守り、一つ一つ手作業で植える契約農家も。未来の収穫を描く大切な出発点です。

6〜8月

梅雨から夏の猛暑まで、稲の生育を見守る日々。水管理と害虫対策が重要な時期。合鴨農法など自然の力を活かした農薬50%削減栽培のノウハウが光ります。出穂・開花を経て、稲穂が太陽の光を浴びて実りを迎えます。

9〜11月

待ちに待った収穫の秋。黄金色に染まった田んぼで、一年の努力が実る瞬間です。刈り取ったお米は水分測定を繰り返し乾燥させ、厳しい品質検査をクリアしたものだけが出荷されます。新米との出会いをお届けします。

12〜2月

表面上は静かな冬の田んぼも、土の中では次の季節への準備が始まっています。有機質肥料のすき込みや冬季湛水など、微生物の力を活かした土づくりが行われる時期。雪に覆われた田んぼは春に向けて力を蓄えています。

region

同じ品種でも違う、土地の力

テロワールが生み出す、お米の個性

ワインの世界で言われる「テロワール(terroir)」。この土地の個性を表す概念は、お米にも当てはまります。同じコシヒカリでも、新潟県魚沼地域で育ったものと、福井県で育ったものでは、味わいが異なります。それは、水質、土壌、昼夜の温度差、日照時間など、その土地の自然環境がお米に与える影響があるから。魚沼地域の雪解け水が育むミネラル分の豊かさ、会津地方の内陸性気候がもたらす昼夜の寒暖差、九州の豊かな太陽光と水はぐくむ力強さなど、各地域の気候風土がお米に独自の個性を与えます。

各地の伝統と技術が育む米文化

日本各地には、その土地ならではの米づくりの知恵が継承されています。千枚田に代表される棚田での稲作は、単に景観が美しいだけではなく、斜面の水はけや昼夜の温度差がお米の味わいに影響を与えます。また、新潟の「かけ流し」と呼ばれる水管理や、島根の「出雲天の恵み」に代表される有機栽培技術など、地域ごとの独自の農法が発展してきました。これらの技術は長い歴史の中で磨かれ、その土地に合った最高のお米を生み出す知恵となっています。